わたしの俳句、わたしの愛句
わたしの愛機
e-text版『鈴木茂雄句集』
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e-haiku anthology
私的季語辞典
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現代俳句アンソロジー
海の見える俳句
月の夜の石を抜け出し蟇 ぴーこ
月光のピアノにひそむピアニスト 猫髭
夏の波つぎつぎ白き帆となりぬ 茂雄
初夏の手足飛び出すワンピース 茂雄
蜆汁しみじみ母の暮色かな 茂雄
初芝居斬られて紅き紐を出す 茂雄
千一夜千くりかへし聖夜かな 猫髭
聖樹よりこぼれ落ちたる脱脂綿 ラスカル
街頭に黒服の立つ朧かな ラスカル
冬晴れや漢和辞典の黒表紙 茂雄
冬の蝶撥条固く巻きにけり 猫髭
夕立の匂ひのしたる葉書かな 金子敦
白き蛾の鱗粉が降る鬱の森 金子敦
長椅子のはみ出してゐる日永かな きっこ
夕立や百葉函が咲いている 五島高資
秋日和なにごともなき廊下かな 猫髭
薺粥手品のごとく現れし 竹内一犀
潮満ちてマリアの月となりにけり きっこ
猫の尾のしなやかに月打ちにけり 金子敦
あの嶺にわが天敵の桜あり 江里昭彦
八月某日いちまいの白い皿 茂雄
十二月遠き嶺の樹も庭の木も 茂雄
雛壇の一人となりて妻がゐる 茂雄
虚子の忌の大浴場に泳ぐなり 辻桃子
うすものの中より銀の鍵を出す 鷹羽狩行
美術館に蝶をことりと置いてくる 柿本多映
鍵しまふ抽斗すこし開けて秋 岡本眸
灰色の象のかたちを見にゆかん 津沢マサ子
完熟の白桃につく指の跡 福田甲子男
灯は個々の思ひをいそぐ秋の風 福田甲子男
村々のその寺々の秋の暮 鷹羽狩行
愛や身にくまなくゆきわたる指紋 江里昭彦
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